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オレンジフェスティバル

楽しさの中に大切なことを織り交ぜ、つながりをつくる取り組み

 

(オレンジフェスティバル実行委員会、愛知県東海市)

· 地域性:小都市,運営(起点):その他,取り組み:啓発,資金:自己資金・助成金・寄付,日本 JAPAN

〈コンセプト〉

楽しさの中に大切なことを織り交ぜ、つながりをつくる取り組み

〈取り組みをスタートした時期〉

2017年4月1日

〈概要〉

オレンジフェスティバルは愛知県東海市でお祭り(フェスティバル)を通じて認知症について学び、一緒にお祭りを開催することでつながりづくりをする取り組みです。この事業の目的は「認知症になっても楽しく安心して暮らせるまちをつくる」です。認知症のことを知ってもらう、特に若い世代にむけて知ってもらうためのアプローチをします。

まずはオレンジフェスティバルという楽しいお祭を開催するので、お店、企業、団体、サークルなどにブース出店や出展、舞台上でのパフォーマンスや発表の出場をしないかと問い合わせます。興味を示してくれたお店、企業、団体に趣旨と目的を説明して、認知症サポーター養成講座を受けていただくことが出場条件であることを伝えます。条件を受けてくれたお店、企業、団体と、キャラバン・メイトを務める社会福祉協議会やNPOをつなぎ、認知症サポーター養成講座を開催していただき、参加者に認知症サポーターになってもらってお祭りを共に行う共同体をつくっていきます。その共同体で当日のお祭りを盛り上げます。

遊びに来るのは愛知県東海市の子どもたちです。子どもたちが遊びに来るときには、親や祖父母の世代も一緒に遊びに来ます。遊びに来たら認知症のことも学べて、家族で考えるきっかけとなる、そんな取り組みです。

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〈運営主体について〉

「オレンジフェスティバル実行委員会」

運営主体は、現在は任意団体であるオレンジフェスティバル実行委員会です。主要メンバーは清掃業、お片付け業、町の家電屋さん、お寺の僧侶、塗装業、配食業、建設業、和太鼓奏者、介護事業所など多種多様な人たちです。もともと東海青年会議所でスタートしていることから、東海市で商売をしている商工業者が主体となっていることが特徴です。

〈取り組みのきっかけ〉

第一回目は、2017年の一般社団法人東海青年会議所(東海JC)のまちづくり事業として始まりました。当時の団体の理事長が掲げた市民の皆様、数多くの他団体と共にまちづくり事業を行うという指針に基づき、まちづくり事業を行うチームのリーダーとなった私(伊藤)が、超高齢社会においての重要なキーワードである「認知症」は今後、誰にでも関わりが出てくる事象と捉え、このことをテーマに取り組みを始めました。また、伊藤の祖母が認知症だったことが、このテーマで取り組むことになったもともときっかけです。

〈運営コスト〉

第一回目は東海青年会議所の事業費で開催し、それ以降はブース出展料、地元企業からの協賛金、地元信用金庫の助成金を工面して開催してきました。企業には、企業として関わることの社会的な意義やメリットの説明、行政にはオレンジフェスティバルを行うことで出た数字、たとえば認知症サポーターが増えたこと、関わる企業が増えたことや、町としてのPRとなること、子どもたちへの教育的効果を伝えて予算をつけてもらうように訴え続けました。

〈運営に必要な費用概算〉

40~50万円/年

〈運営資金の確保の手段〉

自費、寄付、その他の公的補助、自治体予算

〈持続させるための仕組みや工夫など〉

今のところ仕組みは確立できていません。上記につながることですが、持続するためには関わる方たちにとってメリットがないといけないと思っています。つなげることでよい効果が出そうな人たちを意識してつなげるように働きかけています。

〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉

苦労と感じたことはないのですが、「認知症」というキーワードとあまり関わりのないところにお話を持っていく時、すぐには受け入れてもらえないこともあります。そんな時には、なぜ関わりを持ってほしいのか、ていねいに根気よく熱意をもって説明するようにしています。

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〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉

第一回目の開催後、東海JCのメンバーで公園の植栽管理の仕事をしている方が、公園内で迷われていた認知症のあるご本人をみつけて適切に声をかけ、保護できたということがあったり、高齢福祉に興味をもち福祉リフォームを始めた方や福祉のお片付け業を始めた方がいたり、この取組の中で初めて認知症に触れ、「偏見があったが変わった」と言ってもらえたり、「最近親が認知症になったんだけど、認知症サポーター養成講座を受けておいてよかった」と声をかけられたりしたことが、やっていてよかったと思うことです。

また、お祭りに司会として関わっていただいた、中部圏のラジオ局で番組をもたれているタレントさんが、番組中のリスナーさんとの生電話お悩み相談コーナーで、ご家族の認知症について親身になり、学んだことを的確にお伝えしていた様子をラジオで聞き、関わってくれた皆さんがそれぞれのフィールドで学びを活かして活動されている様子を知ることができて、やっていてよかったなと思いました。

うまくいっていることは、現在各自治体で進められているチームオレンジの取り組みに、オレンジフェスティバル実行委員会がスライドでチームメイトになったことで自然とチームができていたことです。

〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉

2021年は活動を始めて5年目になるのですが、オレンジフェスティバルはもともと、人が集まり、学び、関わり、つながる活動ですので、現在のコロナ禍において人が集まることができなくなり活動が鈍化してしまっていることが現状です。また、コアで運営に関わる実行委員のメンバーにも意識や状況の変化があり、関わりつづけてもらうにはどうすればよいのかなと、悩みというよりは課題だと感じています。

〈今後のビジョン〉

オレンジフェスティバルは今まで、もともとあるチームや会社やコミュニティにお願いして関わっていただきました。例えばフラダンスのチームでご参加いただいているメンバーさんの誰かが、認知症になったとします。たとえ認知症になってもフラダンスを仲間たちと踊れる、もし踊れなくなってもチームの絆でご本人さんやご家族が孤立しないようにする。こんな地道な活動を続けていきたいと思います。また、認知症のご本人さんご家族さんが直接関わって楽しんでもらえるようなことを企画の中に盛り込んでいけたらと思っています。

また、コロナ禍でストップしてしまっていたのですが、東海市内の特別養護老人ホームの地域交流スペースを会場に、そのホームのイベントを一緒に盛り上げるキャラバン隊活動をして、周辺地域の住人さんとホームをつなぐ役割を担いたいと思っています。

■事業名:オレンジフェスティバル

■事業者名:オレンジフェスティバル実行委員会

■回答者名:伊藤 諭(オレンジフェスティバル実行委員会事務局)

■事業所住所:愛知県東海市

■サイト:https://www.facebook.com/orangefestival.orangering

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