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みそ製造業を通した地域共生の実現

デイサービス利用者が味噌の製造から販売までを行う


(Happy Care Life株式会社、佐賀県嬉野町)

· 地域性:小都市,運営(起点):介護,取り組み:社会参加・その他,資金:自己資金・介護保険,日本 JAPAN

〈コンセプト・特色〉

デイサービス宅老所芽吹きとして、みそ製造業許可を取得。利用者が味噌の製造から販売まで行っています。

〈概要〉

「500歳の手作り味噌」と名づけた味噌は、佐賀県内で開催されるマルシェにデイサービスとして出店し、利用者が売り子となり販売しています。観光地である嬉野温泉で事業を行っていることから、観光コンテンツの一つになるようにとの考えで、月に一度、味噌づくり体験会も開催しています。利用者が体験会参加者へ味噌のつくり方を指導したり、むかし話で盛り上がったりする機会となっています。

販売した味噌の売上げや体験料を使い、地域の方々を招く「みそ汁会」を開催することで、地域に還元できる仕組みを構築したいと考えています。

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〈運営主体〉

「Happy Care Life株式会社設立」

2013年8月 佐賀県嬉野市にてHappy Care Life株式会社設立

2014年6月 デイサービス宅老所芽吹き開業

2016年3月 分校Cafe haruhi開業

2018年7月 生涯現役の家ねっこ開業

2021年4月 小規模多機能型居宅介護さとみち開業

「関わる全ての人に幸せが芽吹く居場所づくり」という理念のもと、介護事業や飲食業、農業を手段に地域住民を巻き込むことで、地方でも最期まで豊かに暮らせる社会を実現すべく、事業を展開しています。

〈取り組みをスタートした時期〉

2016年3月24日

〈取り組みをスタートしたきっかけ〉

「介護サービスを利用している人は、もう何もできない」。介護事業に携わっていると、業界内外関係なく、少なからずそのような固定観念をもっている人がいるなということを感じていました。当然、年を重ねることにより、身体が思うように動かなかったり、認知症を発症することで、要介護状態になられたりしているのは間違いありません。

しかし、実際にはそれまで培われてきた知恵や経験は健在で、そこを何とかかたちにすることはできないか? と考えたときに、味噌づくりを思いつきました。地方に住むご高齢の方にとって、昔、味噌は自宅で手づくりするのが当たり前でしたが、かたや今の若い世代はスーパー等で購入するのが当たり前となっています。

その“当たり前”の違いにこそ価値があり、それをかたちにすることで社会とつながることができれば、「高齢者は何もできない」といった固定観念も薄れていくのではないだろうかと考え、この取り組みをスタートしました。

〈運営コスト〉

みそ製造業許可を取得することによって、ただつくるだけでなく”販売”まで行うことができるようになりました。必要な運営費は自分たちで稼ぐかたちで、事業運営を行っています。

また、味噌だけではどうしても広がりがもてないため、今後、味噌を使ったお菓子の製作をしてもらえないか、市内の店舗等と協議をスタートしています。

〈運営に必要な費用概算〉

3万円/月

〈運営資金の確保〉

自費、介護保険

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〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉

現在、味噌を仕込んで1年間の発酵期間を取ってます。最初の1年間は、ただつくるだけで、販売をするということができませんでした。そのため、ある利用者から、「いつも味噌づくりをさせられている」というクレームが出たことがありました。

ちょうど味噌製造を始めて1年が経った頃で、味噌が完成した時期だったため、あえてその利用者に販売についてきていただくことにしました。その結果、自分たちがつくったものを喜んで買っていく人がいるのだということを実感していただき、その後は味噌製造に対してそれまで以上に熱心に取り組んでいただけることになりました。

〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉

味噌の販売に関して、実際に利用者に販売に同席していただくことは、本当に必要なことだと実感しています。お客様とのやり取りを見ていると、デイサービスで過ごしているときの顔とは全然違い、生き生きとされていらっしゃいます。

また、スタッフがその姿を見ることで、どちらがその方の本当の姿か? と考える機会にもなっており、それによって普段の介護の質も向上していると感じています。

〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉

新型コロナウィルスの感染拡大により、味噌づくり体験会や味噌販売の機会が無くなってしまいました。感染した場合、高齢者の死亡率が高いことから、これまで通りにやっていくことはできないと感じています。

オンラインでの取り組みに切り替えることも検討していますが、それではどうしても利用者には伝わりづらく、難しいと感じています。

〈今後のビジョン〉

これまではデイサービス内のプロジェクトとして動かしてきましたが、今後はもっと関わってもらえる人(店舗)を増やしていきたいと考えています。たとえば、弊社がある嬉野市は嬉野温泉という有名な観光地であることから、旅館と連携し、朝食のお味噌汁に味噌を使っていただくことや、ケーキ屋との連携により、味噌を使ったケーキの商品開発を行っていただくことなどを考えています。

体験キットを作成して事前に郵送し、オンラインで画面越しに味噌づくりを体験してもらうことなども計画しています。

行政と連携して、ふるさと納税の返礼品として取り扱っていただくことも相談中です。

■事業名:みそ製造業を通した地域共生の実現

■事業者名:Happy Care Life株式会社(デイサービス宅老所芽吹き)

■取材協力者名:中林 正太(Happy Care Life株式会社代表取締役)

■事業所住所:〒843-0302 佐賀県嬉野町大字下野乙1912番地1

■サイト:http://happy-mebuki.com

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