〈コンセプト・特色〉
五感を活用したモノづくりカフェ
〈運営主体について〉
東京都中央区を拠点とし、私たち市民一人ひとりのウェルビーイング(心身ともに充実したよりよい状態)を目指し、自分で自分をケアするセルフケアの普及と、暮らしの中のさまざまな悲嘆に寄り添うグリーフサポートの実施及び啓発を行っています。主な活動として、自治体や医療、福祉、介護に従事している方々に向けた研修などの実施、高齢者施設での五感を活用したレクリエーションや、地域住民向けのセルフケアカフェを開催しています。そのほか、グリーフケアや看取りに関する調査研究なども行っています。
〈取り組みをスタートした時期〉
2018年4月1日
〈概要〉
・回数:月に一度
・時間:約3時間
・参加人数:約20名
・セルフケアカフェは、自分自身を大切にすることを目的とした、自分のための時空間です。季節を感じるモノづくりを通して、五感を活性化することで、参加者のリフレッシュやリラックスにつながります。また、参加者同士のコミュニケーションの場にもなっています。
〈取り組みのきっかけ〉
はじめは、地域にグリーフサポートの拠点をつくりたいと考えていた当方と、区内のがん患者さんのためのケア活動を考えていた社会福祉協議会との出会いがきっかけとなりました。また、高齢者施設で開催しているレクリエーション「五感あそび」が、介護者(家族等)にも好評で、ほかでも開催してほしいという声が増えたこともあり、区の施設を活用し、地域住民の居場所をつくる運びとなりました。
〈運営コスト〉
区内に存在する「通いの場」の多くは、無料で開催をしていますが、当方では、参加費として材料費をいただいています。また、会場については区の施設のため費用はかかっていませんが、人件費という点では課題もあります。
〈運営に必要な費用概算〉
6万円/月
〈運営資金の確保〉
自費、参加費
〈持続させるための仕組みや工夫など〉
現在うまくいっていると思う「参加者が講師になる」という事例を増やしていくことも、持続させる仕組みになると思います。そもそも、セルフケアとは自分を大切にすることなので、能動的に行動することで、やり甲斐や生き甲斐を感じ、より一層、自己肯定感を得る機会になると考えています。
〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉
スタートして今年の3月で丸3年になります。最初はなかなか人が集まらず、参加者1名という回もありましたが、チラシを各所に配布したり、社協便りに掲載していただいたり、また、SNSでの発信を増やすなど、できることを行った結果、徐々に参加者が増えてきました。その後は、参加者の口コミなどもあり、現在では、毎回満席となっています。
〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉
参加者の年齢層は幅広く、小さなお子さまから80代の素敵な先輩もご参加くださっています。毎回テーマは決まっていますが、徐々に、参加者の方々の得意なことを教えていただき、ときに講師となって活躍していただいています。また、モノづくりを通して、自然と世代を超えたコミュニケーションが生まれることが多々あります。「モノ」や「時間」、「ふれあい」など、すべての事象が参加者にとってのセルフケアであり、私自身のセルフケアにもつながっています。
〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉
区の施設を借りているため開催日が決まっています。参加の希望があっても、日時が合わず参加に至らない人もいるようです。開催の回数を増やすことも考えましたが、運営資金(人件費)を考慮し、現在のところ、月に一度のペースで開催せざるを得ないのが今の悩みです。
〈今後のビジョン〉
現在、私が計画していることは、「自分の得意ごとを社会に活かす」ためのマッチングバンクです。自分の得意ごとは、心身の健康だけでなく、生活の質(QOL)を高め、ひいては、周囲の大切な人の豊かな暮らしにも影響します。まだ構築中ですが、さまざまな「得意ごと」を集め、必要としている場へ届ける少しお節介なマッチングのプラットホームがつくれたらよいと考えています。
■事業名:セルフケアカフェ
■事業者名:一般社団法人セルフケア・ネットワーク
■取材協力者名:髙本 眞左子(一般社団法人セルフケア・ネットワーク代表理事)
■事業所住所:〒104-0061 東京都中央区銀座6-6-1銀座風月堂ビル5F