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生活維持向上倶楽部「扉」・「匠」

介護技術に重点を置いた、「生活の営み」の継続につながる活動

 

(株式会社NGU、神奈川県横浜市)

· 地域性:大都市,運営(起点):介護,取り組み:その他,資金:介護保険,日本 JAPAN

〈コンセプト・特色〉

介護技術に重点を置いた、「生活の営み」の継続につながる活動

〈取り組みの概要〉

■「扉」

①立つ・座る・歩くといった基本動作で、「誤用」「過用」の予防を生活動作内でしっかりと確認してできることの維持に努めています。

②「農業」を通じて、認知症の進行予防・機能低下予防を行っています。

③ゴミ集積所の掃除や道路のゴミ拾いを行っています。

④有償ボランティア:地域の企業(特別養護老人ホーム・薬局・建築会社・飲食店)から依頼をいただき、正月の門松の制作を縄編みから行うことや、アクセサリーづくりや処分できない着物を使ってリメイクを行っています。

⑤感染症での自粛期間中は、地域とのかかわりが遠くならないように「心の移動」を行っています。

■「匠」

①NPO法人が管理する公園の環境整備・美化活動を行っています。

②事業所周辺の美化活動を行っています。

③有償ボランティア:株式会社ダイハツとコラボして、開店前にやっている周辺の清掃活動をダイハツの職員の代わりに行ったり、花壇の整備を行ったりしています。

④建築会社から出る廃材で、まだ使える木材を使用し木工を行っています。

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〈運営主体について〉

「株式会社NGU」

介護や認知症へのイメージを払拭するため地域へ活動が見えるようにしています。その中で、今までの介護技術ではなく、「根拠ある介護技術」をパートナー(職員)全員で身につけられるように学びの継続をしています。

これは、認知症ケアにおいて「根拠ある介護」は今後、絶対条件になると考えていることと、「できるからやってもらう」からの二次障がい移行の予防をするために、現有能力の適切な発揮と潜在能力を適切に引き出して行くための必修条件と考えています。すべては、少しでも生活が豊かになり「生活の営み」が継続できるように、日常生活動作内・生活内で引き起こされている「誤用」「過用」を予防するためです。

〈取り組みをスタートした時期〉

「扉」:2012年2月1日

「匠」:2019年8月1日

〈取り組みをスタートしたきっかけ〉

入所施設に勤めていたときに、介護の在り方の現状に疑問を感じました。特に技術的かかわりで目の前の方の認知症の症状の進行や生活のし難さを与え、重度化させてしまっていることを目の当たりにし、「認知症だから」や「麻痺があるから」わからない・できない・危ないといった偏見のある考え方で、一日、室内で同じ場所にいる生活に疑問ばかりが浮かんでいました。

また、職員が時間管理・生活管理をし、人としての接し方ではないことや、病院から自宅に戻られた方が自宅生活の維持がしにくく、入所になってしまうことを目の当たりにしてきて、介護という仕事自体を辞めようと考えていたときに、当時担当していたご利用者から「ここは辞めても、介護という仕事だけは辞めないでほしい。私たちみたいな思いの人を救って」といわれたことで背中を押され、CAREをしっかりとできる環境をつくるしかないと思いました。

〈運営資金の確保〉

介護保険

〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉

ケアマネジャーの理解を得るのに非常に時間がかかりました。開設当時、「脳トレやレクをやらない何もしない事業所」といわれていました。特に営業活動もしなく、口コミで周知していただけるように目の前の方の生活によい変化が出るかかわりと、ご家族へご自宅生活での相談に乗ることを徹底しました。また、地域に出て「介護事業所」というイメージを払拭できるように活動を継続し、利用したいと直接いっていただけるようにしました。

さらに開設当時、行政からは「外での活動禁止」といわれていましたが、室内だけでの活動では今までの通所介護事業所と変わらないため、指導覚悟で外での活動を継続し、活動の意味や成果・効果を伝え続け、6年かかりましたが、行政に認めてもらい運営基準に落とし込んでいただけました。

〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉

・つながりや知り合いもいない全く知らない土地に、介護の現状を変えたいと事業所を開設して、メンバーさん(ご利用者)の生活を見ていただき、地域の方々の認知症や介護を必要としている方のイメージが変わったと言っていただけること。

・地域の方が活動中のメンバーさんに声をかけていただけること。

・突然身内の方の相談に来ていただけることで、見知らぬ地でも地域の一員として受け入れていただけたこと。

・認知症や脳梗塞の後遺症により、ご自宅生活に不安を抱かれ、入所を検討されていたご家族が、「まだ一緒に暮らしていけます」「最期まで家で」と言っていただけること。

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〈持続させるための仕組み、工夫〉

持続していくことで一番大切なことは、驕らず・すがらず、地道な活動しかないように感じます。イベントや見せ方で注目を集めるのではなく、普段の生活を送っている姿の見える化と、「生活の営み」としての本来のCAREを常に考えていくことで、今までと変わらない活動と新しいつながりを地道に築いていくことしかないように思っています。

■事業名:生活維持向上倶楽部「扉」・「匠」

■事業者名:株式会社NGU

■取材協力者名:山出貴宏(株式会社NGU代表取締役)

■事業所住所:〒245-0013 神奈川県横浜市泉区中田東3-6-42

■サイト:http://ngup.jp/

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