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大人のための体操のおにいさん ごぼう先生

全国の介護施設で、イス体操を笑顔で指導

 

(株式会社GOBOU、愛知県岡崎市)

· 地域性:中都市,運営(起点):その他,取り組み:健康づくり,資金:自己資金・その他,日本 JAPAN

〈コンセプト・特色〉

お年寄りのための体操のおにいさん

〈取り組みの概要〉

「ごぼう先生」というニックネームで、介護施設を中心に座ったままできる健康体操を指導しています。イス体操のDVDは、自社制作で15作品。大手レコード会社キングレコードからは、4作品リリースされています。販売枚数は、合計4万5,000枚以上です。

全国25,500以上の介護施設に導入されている第一興商の生活総合機能改善機器「DKエルダーシステム」でも、ごぼう先生の体操が大人気コンテンツとなっています。

2017年から2019年までは、年間60本の講演会、研修会、イベントを実施しました。

著書には、 『介護界のアイドルごぼう先生のみんなを笑顔にする魔法』(講談社)、『ごぼう先生と楽しむ大人の健康体操』(あさ出版)、『DVD付き ごぼう先生の座ったまま体操 100歳までイキイキ!』(宝島社)、『介護予防に役立つ ごぼう先生の大吉体操』(世界文化社)があります。

「ごぼう先生 やなせひろし」のYouTubeチャンネルの登録者は、約2万6,000人です。

〈運営主体について〉

「簗瀬 寛/株式会社GOBOU」

1985年愛知県岡崎市生まれ。高校時代は、ボクシング競技でインターハイ、国体に出場。高校卒業後は、鍼灸師の学校へ進学。免許取得後は、鍼灸接骨院に7年間勤務しました。25歳で、働きながら日本福祉大学を通信制で卒業して、デイサービスの立ち上げ業務を経験しました。

28歳で「高齢者の笑顔をつくる会社 株式会社GOBOU」を設立して、喫茶店のような地域密着型デイサービスを開設しました(2020年2月に閉鎖)。また、自ら大人のための体操のおにいさん・ごぼう先生となり、イス体操の先駆者としてメディアや講演会での発信、商品開発などを行っています。

モットーは、「表情が変われば 動きも変わる」。お年寄りの方々が、どうしたら体を動かしながら、笑顔がつくれるのか。「正しいより 楽しい」を大切に、介護現場にエンターテイメントを届けています。

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〈取り組みをスタートした時期〉

2011年4月頃

〈取り組みをスタートしたきっかけ〉

2011年に通所介護施設で健康体操教室のボランティアをしたことがきっかけです。鍼灸師としての参加だったので、最初は白衣で体操を指導していました。

当時、どのような体操を実施するのか、インターネットで情報収集を行ってみると、介護施設向けの集団体操の情報がほとんどありませんでした。

「高齢者×集団体操」の分野が、ブルーオーシャンだと思いました。もしかしたら私でも、先駆者になれるのかもしれない!当時、心がワクワクしたことを鮮明に覚えています。NHK「おかあさんといっしょ」に登場する体操のお兄さんお姉さんのように、お年寄りの体操のお兄さんを強く目指すようになりました。

約2年間、ボランティアで健康体操を続けました。さまざまな運動を実践して、ブログやYouTubeで発信してきました。

〈運営コスト〉

祖父からの支援金、500万円で開業しました。開設1年で、さらに銀行から300万円の借り入れを行いました。地域密着型デイサービスの運営と体操DVDの販売は、開業から1年10カ月の間、赤字でした。2期が終わるタイミングで、合計700万円のマイナスでした。

しかし、2015年3月に転機が訪れました。全国ネット朝のニュース番組で、当社が取り組んでいる体操やDVDを10分間特集していただきました。テレビ放送終了後、その日だけで過去4カ月分のDVDの注文をいただきました。その放送をきっかけに、本の出版やキングレコードからのデビュー、NHKや時代劇専門チャンネルのレギュラー出演が決まりました。

体操を実施するだけでなく、ブログやYouTubeなどSNSで活動の情報発信を日々積み重ねる大切さを強く感じました。そして、活動する愛知県のエリアだけでなく、東京での認知度が広まることで、活動の規模が大きく変わることがわかりました。

〈運営に必要な費用概算〉

110万円

〈運営資金の確保〉

自費

〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉

「正しくではなく、楽しい体操!」と、ごぼう先生の体操のコンセプトをつかむまでは苦労をしました。

ボランティアで体操を行っていたとき、私は「すべての参加者を笑顔にすること」は、絶対に無理だと諦めていました。例えば、「両手をバンザイして!」と伝えても、片麻痺のある方は思うように動かない。「膝を一直線に伸ばして!」と伝えても、膝関節に拘縮がある方は動かない。正しさをゴールにすると、そこまでたどり着けない方が、必ず数名いらっしゃったからです。

体操を開始して2年が過ぎたとき、「片方の手は、グーチョキパーと動かしましょう。もう片方の手は、パーチョキグーと動かしましょう」。私は、難易度が高い体操を行ってみました。すると、ご利用者の皆さん、スタッフの皆さんが、「できない動き」で笑顔になったのです。このような経験を繰り返して生まれた、私の体操のキーワードがあります。

「できないほうがいい。楽しむことが一番大切!」という言葉です。そこから、「簡単に動かせてしまう、僕自身が最も効果がありません」と伝えるようになり、参加者全員の気持ちを前向きにすることができるようになりました。

自分自身の体操に対する軸をもてたことで、東京大学や筑波大学で講師として授業をさせていただく貴重な機会をいただきました。

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〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉

健康体操をDVDという有料の形にしたこと。そして、完成したコンテンツを、自社でAmazonや楽天に商品を掲載して、ECショップで自社販売していることです。

2014年3月9日に、介護予防シリーズ「R70ごぼう先生の健康体操 口腔体操編」をリリースしました。現在でも、定期的に販売できていて7回増刷を行い、6,000枚以上販売できています。自社16作品の累計販売は、約3万2,000枚です。

売れる自信は、販売前からありました。理由は、他社の体操コンテンツが「まじめ過ぎる」からです。そして、映像を制作する側、販売を行う側が、介護現場のリアルを想像できていなかったからです。

私は、テレビのなかから介護施設の一員になれるように想像を膨らませて制作しました。字幕を大きくして、難聴の方も身体が動かせるように。目が見えない方でも、私の指示だけで身体が動かせるように制作しました。

認知症を患い、要介護1だった自分自身の祖母にモニターになってもらった経験も大きかったです。企画、撮影、編集、販売まですべて自社で完結できた実績が自信につながり、他社との交渉や共同制作の場面で、経験と実績を元に発言できるようになりました。

〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉

「持病もちの高齢者、その方々と関わる人(介護職)」を主な対象者として事業を行ってきたため、2020年2月から流行が始まった新型コロナウイルスの影響で、本当にうまく行かなくなりました。介護施設への訪問や、介護職員さんを対象とした研修会の機会が激減してしまったのです。この影響は、2021年の今も続いています。

今までの地域の介護予防の仕組みも、「ご近所、集合体、コミュニケーション」です。ある意味、3密をポイントに行ってきたため、地域コミュニティの形成が大きく変わりました。

この課題を解決する一つの手段として、デジタルの活用が挙げられると思います。しかし、これも多くの介護事業所で、通信環境が整っていなかったり、職員の高齢化によってデバイスの活用ができなかったりと、課題が山積しています。

介護業界に少しでもオンラインで楽しんでいただけるように、「旅介(たびすけ)」や「タダカヨ」等の他社と連携をして、無料で参加できる、ごぼう先生オンラインレクリエーションの提供を進めています。

〈持続させるための仕組み、工夫〉

自分自身が楽しみ、新しいアイデアは、70点を越えたら、リリースすることです。

中学のときに、よく友人から「歌の音程が不安定」で笑われていた僕が、2018年にキングレコードから「ごぼう音頭で声だそう」でCDデビューを果たすことができました。CDデビューの前は、ボイストレーニングにも通いました。

2019年からの令和イス体操シリーズでは、家族と一緒に健康体操ということで、3歳の長男(おにぎり先生)と1歳の次男(ぽてと先生)の協力でDVDをリリースしました。

2021年は、和楽器の音楽を活かした体操に挑戦します。ゆったりとしたオリジナルの和楽器の音楽に合わせて、座ったまま手足を動かしていく内容です。ちょうど今、制作途中ですが過去一番の自信作です。

楽しさは、必ず相手に伝わります。エンターテイメントで大切なことは、楽しみを共有できるかどうかがポイントになります。おじいちゃん、おばあちゃんの楽しんでいる姿を想像して、完璧を求めずに、コンテンツを創造することが仕事のやりがいにつながっています。

〈今後のビジョン〉

2025年の大晦日、紅白歌合戦に出場することです! 日本の高齢化率がピークに達するタイミングで、日本中のお年寄りの笑顔をつくりたいです。

お笑い芸人の西野亮廣さんは、数年前から自らが制作する『えんとつ町のプペル』の絵本と映画の目標を「ディズニーを超えます」と伝えてきました。

最初は鼻で笑われてしまうような夢を掲げる。だけど、この人なら、本当に現実にしてしまうかもしれない。出会った一人ひとりをドキドキさせるのが、エンターテイナーの役割だと思います。講演会や研修会の最後に必ず、参加者の皆様に、この目標を伝えています。「2025年までは、どうか生きて、僕を応援してください! それでは、皆さん、お達者で!

■事業名:大人のための体操のおにいさんごぼう先生

■事業者名:株式会社GOBOU

■取材協力者名:簗瀬寛(株式会社GOBOU代表取締役)

■事業所住所:〒444-0815 愛知県岡崎市羽根町字陣場154番地2

■サイト:https://gobou-sensei.com

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