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認知症の人への訪問診療

通院が困難な認知症の人へ医療支援を届ける

 

(医療法人すずらん会たろうクリニック、福岡市東区)

· 地域性:大都市,運営(起点):医療,取り組み:その他,資金:医療保険,日本 JAPAN

〈コンセプト・特色〉

通院が困難な認知症の人の元へ医療支援をお届けする

〈概要〉

現在、クリニックとして月に約1000人の方に訪問診療を行っており、患者さんの大部分は認知症の状態にあります。常勤医5名は全員が日本精神神経学会専門医で、うち2名は老年精神医学会の専門医でもあります。通院が困難な認知症や精神疾患のある人に訪問して医療支援を行っています。また、非常勤の内科医や外科医と協働して精神面だけでなく身体面も包括し、かかりつけ医として対応を行っています。

〈運営主体〉

「たろうクリニック」前身のはじめクリニックは2009年5月に開業し、2010年12月に法人化しました。以前は複数のクリニックを運営していましたが、現在は統合し「たろうクリニック」のみとしています。重度認知症デイケア「うみがめ」がクリニックに併設していて、他に住宅型有料老人ホームと認知症グループホームも一ヶ所ずつ運営しています。法人職員数は約100名です。

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〈取り組みをスタートした時期〉

2015年4月

〈取り組みをスタートしたきっかけ〉

当初は認知症の人に特化したクリニックではありませんでした。ある日、知り合いのケアマネジャーさんから、「通院を嫌がる認知症の人がいて、奥さんが困っている」との相談があり訪問したところ、診察の受け入れが良好で医療とつながることができました。

その後も、通院は拒否するけれども訪問診療の受け入れは良好な事例を複数経験し、認知症の人への訪問診療の依頼を受けることが増えたという経緯です。

〈運営コスト〉

訪問診療は医療保険制度で守られており、運営コストに困ることはほとんどありません。福岡市には訪問診療を行うクリニックが複数存在し、競争が激しい地域ですが、認知症診療に特化していることで他との差別化に成功していると感じています。

〈運営に必要な費用概算〉

規模により随分異なります。

〈運営資金の確保〉

医療保険

〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉

「自分たちの地域には訪問してくれる精神科医や認知症専門医がいない」と相談されることが何度もありました。少しずつ、精神科や認知症に関する学会で講演する機会や、雑誌に寄稿する機会が増えており、精神科医や認知症専門医が訪問診療を行う有用性について医師に知ってもらう機会が増えていると感じています。

 また、一般のかかりつけ医の先生方に、認知症診療についての知識を得てもらうことも重要だと感じており、これに関しても講演や雑誌への寄稿を続けています。

〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉

やってよかったと最も感じるのは、訪問して患者さんやご家族から「来てくれてありがとう」と感謝される時です。また、患者さんの依頼が増え続けており、地域からのニーズも感じています。最近は各専門医の学会や医学雑誌から講演や寄稿のお声がかかることも増えており、精神科医や認知症専門医が訪問診療に関わる重要性について、医師の間でも感じていただけているようです。実際に当院で働きたいと、精神科の先生から相談をもらうことも増えています。

〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉

訪問診療の対象となる方は、認知症が重度の段階となっている方が多く、もっと早くに介入できていればと感じることが少なくありません。また、認知症の原因疾患の多くは進行性で不可逆性であり、医療的介入ができる範囲は限られています。認知症へのスティグマの改善のために一般の人への啓発が必要であり、さまざまなステークホルダーと協働して社会を変えていく必要性も感じています。

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〈持続させるための仕組みや工夫など〉

関わった患者さんやご家族、ケアマネジャーさんや訪問看護師さんたちの期待に応えることを心がけています。それが、診療の継続や次の依頼にもつながり、事業が拡大しながら継続していることにつながっていると感じています。また、法人の社是は「変化と成長」です。常に新しい取り組みにチャレンジしながら成長することを目指しています。

〈今後のビジョン〉

行政や産業界のステークホルダーと協働して、認知症フレンドリーなサービスの創出を目的とした団体の構築を試みています。また、社会技術研究開発センターに採択されたプロジェクトとして、認知症の人と周囲の、「支援する」「支援される」という固定化された関係性を変容させるために共創的アート活動を取り入れるというチャレンジを行っています(https://www.jst.go.jp/ristex/solve/project/scenario/scenario20_uchidapj.html)。

法人として、クリニックを他地域展開することも検討中です。

■事業名:認知症の人への訪問診療

■事業者名:医療法人すずらん会たろうクリニック

■取材協力者名:内田 直樹(医療法人すずらん会たろうクリニック院長)

■事業所住所:〒813-0043 福岡市東区名島1-1-31

■サイト:https://taro-cl.com/

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