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ものがたりの街

語りが循環するようなプラットフォーム(地域共生社会)

 

(一般社団法人ものがたりの街、富山県砺波市)

· 地域性:小都市,運営(起点):医療,取り組み:交流拠点,資金:自己資金,日本 JAPAN

〈コンセプト〉 

「語りが循環するようなプラットフォーム(地域共生社会)をつくる」 

「Do ittogether –DIT」 

〈特色〉 

ものがたりの街は30年の賃貸契約で借りています。在宅医療を10年前からしていますが、人口減少社会の中、今の形は30~40年で終わると思っています。2050年前後で日本の人口が1億を切るとき、今と同じ医療は通じないと思い、これからの時代に必要なものをつくっていく必要があると思い、30年限定で土地を借り、ものがたりの街をつくりました。 

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〈法人概要〉 

「一般社団法人ものがたりの街」 

医療法人社団ナラティブホームは、医師が4名、訪問看護ステーション11名(内、言語聴覚士1名、理学療法士1名)、ヘルパ―ステーション10名、ディサービス職員2名、居宅介護支援センター1名、事務スタッフは8名(計36名常勤) 

※関係性を重視したいので、皆常勤体制。 

〈運営コスト〉 

建物をつくり(約4億円)、医療法人はその建物を借りて、一般社団法人へ賃貸料を払っています。土地の賃貸料、建物の借金等は一般社団法人から返しています。4億円は、一般社団法人(代表の佐藤個人)に貸してくれています。 

グッズを売ったり、カフェをしたり、勉強会をしたり、などの一般社団でかかる費用は、参加費、購買費、賃貸料から賄われています。 

一般社団法人からは、給与が支払われておらず、職員は皆、医療法人と兼務。カフェは4人の店員がいて、半分訪問診療や訪問介護をやりながら、カフェ等の兼務をしています。   

〈始めたきっかけ〉 

ナラティブホームを始めたとき、がんの人等の最期を一週間に一人ぐらい看取ってきましたが、看取りの前の、もう少し早い段階からサポートしたいと思っていました。5年前、生活の中に人の死を取り戻せたらと思い、小さな場所をつくろうと思ったのがきっかけです。終末期をつくる場のスキームはありましたが、その中に若い人や元気な高齢者をつなげていきたいと思いました。 

死ぬところだけ見ていてもだめだなと思い、地域の人も一緒に参加してつくっていける場をつくりたいと思いました。 

自分じゃなきゃできないこと、使命がないとできません。自分じゃなきゃできないと思い、始めることにしました。 

〈これまでに苦労したことと、それをどのように乗り越えてきたか〉 

「お金をどういう風に回すのか?」「ビジネススキームができるか?」に悩みました。介護保険、医療保険等、さまざまな保険制度や社会構造も学んで、これからどういう風になっていくか、を考え、日本人の死生観も改めて学んで、制度を踏まえた上で、いかに枠組みから少しずれたことができるか、を考えて、実践しました。 

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〈うまくいっていること、やってよかったと思うこと〉 

カフェを運営するのに、訪問看護や訪問介護の常勤職員を兼務してもらうようにしたり、ディサービスの職員も終末期の人9名が住む「ものがたりの郷」の訪問看護や訪問介護と兼務でやりつつ、学びにもなり、メリハリにもなっていると思います。   

カフェのスタッフは、60歳以上のベテランの看護師や介護職員が担当しています。経験豊富なスタッフがカフェにいることで、ちょっとした健康相談や困りごとの相談にも乗れたりしています。   

色んな人を切れ目なく見ることができていることです。色々勉強ができ、看護と介護と医療が近いのでそれぞれ勉強になります。朝のミーティングは、訪問診療、訪問看護、訪問介護等が皆そろって一緒にミーティングして情報共有ができています。 

〈うまくいっていないこと、今、悩んでいること〉 

長く一緒に働いている人はわかってくれていますが、新しく入ってきた若いスタッフたちを育てていく上で、これまでやってきたこと、理念をどうしたら伝えていけるか?(若い介護福祉士3名が新たに入職している) 

朝のミーティングなどで伝えたり、自分の本を読んでもらったり、理念の勉強会は全員出席にしたり。今までやってきた講演のスライドなど見せながら伝えたりなどしています。 

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〈継続する仕組み、工夫〉 

いかに同じスピリットをもった人をつくっていきながら、経営も成り立たせていけるかが大切だと思っています。 

朝のミーティングなどで、大事にしてほしい視点を適宜伝えていくことはしています。 

また自分(経営者)が外の世界に開いていることが大切だと思っています。色んなところで講演したり、中にこもっていると見えなくなってしまうので、外からの視点をもつことがとても大事だと思っています。 

色んな人とつながりをもってやっていくこと、ものがたりの合宿もその一つです。外からどう見られているか、というところも意識していく必要があると思います。 

〈今後のビジョン〉 

ものがたりを大切にした社会を地域の住民たちと一緒につくっていきたいです。30年後、こんな場があったよね、と記憶に残るような。いつのまにか風景になっているような場になればと思います。 

今後はさまざまな関心をもった方が参加しやすいように、多種多様なクラブ活動をつくっていく予定です。クラブの会員の募集もし始めています。畑クラブでは、しょうが等育てた野菜をクラブハウスで売るなどできるといいですね。地域の方から集まった本が4,000冊あるため、蔵を図書館にし、本が好きな住民の人たちの図書クラブもスタートします。お掃除クラブ(ものがたりの街の道路や芝生の整備等)、料理クラブ等、さまざまな目的の人が来て楽しい場になれば。ハーブを育てるハーブクラブ、化粧療法や、エステ、アロマのクラブ、遺影撮影会のクラブ等、街の中に色んなクラブをつくって、交流が起こってくるようにしたいです。 

金融庁などにも確認しながら、感謝の気持ちをポイントに溜められる「ありがとうポイント」の運用もスタートしようとしています。掃除してくれた人にはポイント制にして、カフェでお茶を飲めるなど。感謝の気持ちをポイントにできれば。あくまでも感謝の気持ちとしてやりたいです。 

やはりものがたりを大切にする人を増やしていきたいです。スピリットが継承されればいいなと。いい人生だったね、というのを助けることができればと思っています。今、仕掛けていることは将来必ず古くなります。時代をどう読んでいくか? 日本の社会の高齢化がどう終わっていくかを見ていきながら、それに乗っていきたいです。 

■事業名:ものがたりの街 

■事業者名:一般社団法人ものがたりの街 

■取材協力者名:佐藤 伸彦(一般社団法人ものがたりの街代表理事) 

■事業所住所:〒939-1315 富山県砺波市太田1382番地 

■サイト:https://www.monogatarinomachi.jp/ 

 

■取材・まとめ:高瀬比左子(NPO法人未来をつくるkaigoカフェ代表) 

■取材時期:2021年2月 

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